スパイバーが量産体制の確立を目指しているクモノスという繊維。
まさにこれが、世界から注目を浴びている商品なのですが、
今回はクモノスは一体どんなところがすごいの?
という疑問について迫ってみたいと思います。
強度は鋼鉄の340倍!防弾チョッキの7倍
まず、クモノスの一番のポイントは「めちゃくちゃ丈夫」な事です。
タイトルの通り、鋼鉄の340倍、防弾チョッキの7倍という、
これまでにこの世には存在したことがないほどのタフネスさです。
クモの糸は、ただタフネスなだけではありません。
なぜなら、強度があるだけではなく、
「伸縮」も兼ね備えているからです。
これを関山社長は、
「クモノスは世界で最も強い、最もタフな繊維。なぜなら、破壊されるまでに必要なエネルギーがものすごく大きいから」
と言っています。
タフと強さというのは使い分けが難しいですが、
伸び縮みして、かつ頑丈
って言ったら勝てる気がしませんね…。
自然界では昆虫をとらえて離さない蜘蛛の糸。
昆虫にとっては脅威ですが、それはタフさの証明でもあります。
それを人工的に作るってのだから、かなり頑丈な繊維であることは簡単に推測できますね。
タンパク質で製造可能
クモノスは、タンパク質で出来ています。
タンパク質は我々生物を構成している最も大切な成分で、
人間は約10万種類のタンパク質で構成されています。
今、私たちの身の回りにある多くのアイテムは、石油を使って製造されています。
ですがクモノスの場合、タンパク質とアミノ酸、微生物で製造が可能です。
ですので、地球にも負荷をかけることなく、生物の力のみで量産していく事が可能なのです。
また、もし石油が枯渇してしまったりしても、クモノスは生産することができます。
微生物を使って遺伝子を操作し、紡糸して線維化する。
これがクモノス生産のための課程です。
あらゆる製品に使用可能
スパイバーが目指すのはこのタンパク質だけではありません。
10万種類もあるタンパク質ですが、それを繋ぎ止める役目を持つ「アミノ酸」は、なんとたったの20種類しか存在しません。
しかし、そのアミノ酸を様々なパターンで組み合わせることにより、色々な製品への使用を目指しています。
クモノスは世界中が期待している
ご紹介したように、いまだかつて出回ったことのないタフネスな素材、クモノス。
これも、自然界に存在する蜘蛛(クモ)という生物が、
生命が誕生してからの38億年もの長さで生み出した、
熟練に熟練を重ねた自然の産物なのです。
人類が新たに生み出す素材よりも、一番強力な素材はすでに他の生物が生み出していた。
とても神秘的なことですよね。
これからの世の中にクモノスが浸透し、
あらゆるアイテムに使われるという未来は、
そう遠くないかもしれませんね。